日々の徒然 記事一覧
2012.11.06 日々の徒然
まだ見ぬあなたへ~Vol.9
絹織物はお手入れが大変。
染みや黄ばみ、型崩れも心配だし、生地が弱いような気もするし
・・との声をお聞きします。
長年シルクを扱い、自分でも着用していますが、
黄ばみや染みでそれを手放したことはありません。
そもそも天然繊維というのは、しみ抜きし易い素材なのです。
最近の難しい化学繊維よりもずっとお手入れは楽です。
汗や皮脂が原因の黄ばみも、
シーズンごとにきちっと汚れを落としておけば大丈夫。
信頼のおけるクリーニング店を味方につけてください。
打ち込みのしっかりしたものを選ぶこと。
布目を正した縫製がされているものを選ぶこと。
お召になった体温による癖も、クリーニングで元に戻ります。
保管の注意は
厚みのあるハンガーに掛け、クローゼットの中で潰さないこと。
防虫剤も多めに入れて下さいね。
15年以上前に作ったヘビーシルクのワンピースは
いつ取り出しても仕立てたままの状態を保っています。
何より、店での仕事着にしたシルクシフォンのスカート。
私のヒップで痛めつけられること、
一日10時間、週1日以上のフル回転。
しかも手洗いという酷使に、3年間は耐えてくれました。
・・・・ブラヴォー♪
今日はこのあたりで。
2012.10.24 日々の徒然
まだ見ぬあなたへ~Vol.7
朝晩はコートが欲しいくらいに冷え込んで参りました。
それでも昼間は温度が上がりますので、
ストールが大活躍。
中でも大判のストールは、セーター一枚どころか、
ジャケットに匹敵する温かさです。
100㎝四方のストールを三角形に折って
そのまま肩に掛けていらっしゃいませんか?
まるで、ストールにうずくまるように、体を丸めて。
遠くから見ると、どんな上等なストールでも、
毛布を被った赤ずきんのおばあちゃんに見えてしまいます。
大判ストールは三角形に折ったら、斜辺の部分を持ってもう一折。
三角面積を狭くして、分量を調節します。
そして・・・凛として歩く。
これが一等大切です。
今日はこのあたりで。
2012.10.17 日々の徒然
まだ見ぬあなたへ~Vol.6
「オーダーには興味があるけどもっと安い布地で縫って欲しい」
との声を稀にお聞きすることがあります。
さて、布地のお値段の違いって何でしょう。
「暖かくないカシミヤ」「ごわごわしたウール」「艶のないシルク」
を手にしたことはございませんか?
上質な布地とそうでない布地の差は、
布地の状態で、手触りが違います。
洋服になると、風格に歴然とした違いが現れます。
お袖を通して頂くと、優しく体に寄り添う感覚に驚かれることと思います。
そして・・一番の違いは
時が経っても表情が変わらないこと。
数年後、「この買い物は安かった」ときっと思って頂けるはずです。
そして10年、20年。
大切にお召いただければ、お客様の体に十分馴染んだ洋服として、
一層の品格を保った一枚として傍に置いていただけると信じています。
次回からは、上質な布地の見分け方を素材ごとにお話しできればと思います。
今日はこのあたりで。
2012.10.09 日々の徒然
まだ見ぬあなたへ~Vol.5
秋の装いに変わってきました。
今日はお世話になっているクリーニング店をご紹介します。
布地に鋏を入れる前、全ての布地を一旦クリーニングに出して、
「地のし」をして頂きます。
これは、洋服に仕立て上がった後の縮みなどを防ぐためと、
縦糸横糸を折り目正しく直して型崩れを防ぐため。
上質な洋服になるか、否か、分かれ道となる重要な工程です。
アトリエミヨでは益本クリーニングさんにお願いしています。
洋服の扱いはとても丁寧。
益本さん自らが全てを手掛けてくださいるので、
駆け込み寺のようにお付き合いさせて頂いています。
洋服を慈しみながらクリーニングをしてくださる店。
「益本クリーニング店」
広島市中区十日市1丁目6-2
082-231-5607
(ドライクリーニング・・ex ワンピース 980円)
配達もしてくださいますし、
毎木曜日に預けたものは割引をしてくださるようです。
今日はこのあたりで。
2012.10.04 日々の徒然
まだ見ぬあなたへ~Vol.4
アイロンの蒸気はしっかり出ていますか?
水の不純物により、蒸気の出口が塞がると蒸気量が少なくなります。
針金のようなもので、蒸気穴の掃除を致しましょう。
アイロンに汚れはないですか?
熱を持つと汚れが洋服に付着します。ご注意くださいね。
セーターやワイシャツ等、当たりの出にくいもののアイロン台は
適度な硬さを持つものが理想です。
特に綿などは市販の柔らかいアイロン台では中々シワが取れません。
天然繊維のものの温度は170度~180度。
表示はもっと低い温度になっていますが、低いとその分時間がかかります。
手早く掛ければ高温でも大丈夫。
但し、濡れたものを高温で掛けると焦げ付きやすいのでご注意ください。
また、高温が許されるのは天然繊維のみ、化学繊維は溶けるのでタブーです。
アイロン掛けのコツは、掛けた面を冷ましてから動かすこと。
良く聞かれる「掛けた端からシワになる」多くはこれが原因です。
例えば、片袖にアイロンを掛けたら、冷めるまで待ち、
冷めてからもう片方のお袖を掛けると言う具合。
アイロン掛けは時間のかかるものです。
本を片手に、アイロン一掛け、1ページ読んだらまた一掛け
くらいの余裕があるとアイロン掛けも楽しくなります。
現実には難しいですか(笑)
・・そうですね。せめて、温かいまま畳んだりしないで、
大きく広げて冷ましてください。
今日はこのあたりで。
2012.09.30 日々の徒然
まだ見ぬあなたへ~Vol.3
上質なものを丁寧に着ることを目指したいから・・・
衣替えの季節です。
今日は、暑い夏に活躍したコットンや麻のセーター類の洗濯についてお話します。
特に高価なものになるほど、何にでも「ドライクリーニング」と洗濯表示されていますが、素肌に触れることの多いセーター類は手洗いをして、汗や皮脂をすっきりと落としたいものです。
ポイントは、色落ちしないよう優しく手早く洗うこと、型崩れに注意すること。
まずは洗剤、ウールマーク付の洗剤や柔軟剤や・・いろいろなものが出ていますが、それよりも純粋な「石鹸」が布地の風合いを損なうことなくすっきりと洗えるような気がします。
カシミヤなどのセーターを洗うと良くわかるのです。
毛と毛の間に空気を含んでいるような洗い上がり、これは界面活性剤入りの洗剤では感じられません。
あくまでも主観ですが、機会がありましたらお試しくださいね。
手早く洗うコツは、部分洗いと泡立てです。
汗染みの気になる脇の下や襟ぐりを、まず丁寧に洗います。
泡立てた固形石鹸をなすりつけるようにして、優しく丁寧に。
石鹸が溶けるくらいの温度のぬるま湯に(今の季節でしたら水で十分)
しっかり石鹸を溶かして泡立てた中で優しく押し洗いをします。
あとはすすぎを十分にして。
とにかく手早く!干すところまでは一気になさってください。
脱水は二つ折りくらいに畳んで、水が滴らない程度の短時間で。
風通しの良い日陰に、平らにして干すか、
ゲージの細かいものだと、市販されているセーター用の厚いハンガーも使えます。
ご心配でしたら、クリーニング店に「水洗いクリーニング」をご相談くださいね。
また、化学繊維が入っているものは水洗いできないものも多くあります。
ここまでお読みくださって申し訳ないけれど、ご自身の責任でお願い致します。
今日はこのあたりで。
次回はアイロン掛けについてお話します。